医療器具(プラスチック製)の製造・加工はご相談ください!
医療器具(プラスチック製)の製造・加工には、医療機器製造業の登録が必要となります。
岸本工業は、医療機器製造業の登録を行っており、プラスチックの精密加工、可視化(透明)加工、開発・研究支援を強みとしております。
また、医療器具の部品の一部だけでなく、ユニットや装置などの製造にも対応しております。
これまで数々の企業や大学、研究室からご依頼を頂いており、加工・製造実績が豊富です。
この記事では、プラスチック製の医療器具にはどのようなものがあるのか、またその加工技術について詳しく解説します。
医療器具の開発において、素材の検討をされている方、加工業者をお探しの方は参考にされてください。
医療業界で使用されるプラスチック製の医療器具とは?
医療器具は患者の健康と安全を保護するために、品質管理が非常に重要です。
そのため、滅菌が可能で衛生的な状態を保つことのできる素材でなければなりません。
また、医療器具内部の液体や固体を可視化し、間違いが起こらないようにするために、透明性のある素材が使われることが多いです。
昔は注射器や血液容器としてガラスが使用されていました。
しかし、医療技術の進歩とともに医療器具の素材も変わり、軽量でありながら複雑な形状にも成形しやすいプラスチックが使用されるようになりました。
このプラスチック製の医療器具には、繰り返し使用するものと使い捨てにするものがあります。
何度も繰り返し使用するもの
プラスチック製の医療器具を繰り返し使用するためには、適切な滅菌と洗浄を行うことを前提とし、それに耐えうる耐久性と品質が必要となります。
滅菌処理には、オートクレーブ(134℃以上の蒸気で3分以上)等が使用されます。
この温度に耐えるための医療用グレードのプラスチックが用いられているのです。
繰り返し使用されるプラスチック製医療器具の一例としては、血圧計やステトスコープなどがあります。
ほかにも、器具ケースやトレイ、一部の外科手術用具も繰り返し使用するプラスチック製の医療器具です。
一度きりの使用で使い捨てにするもの
近年、新しい感染症の出現などに伴い、医療器具の再使用は限定されています。
使い捨てするタイプをディスポーザブルタイプと言い、プラスチック製の医療器具の使い捨ては一般的になってきています。
使い捨てタイプのプラスチック製の医療器具としては、注射器やカテーテル、手袋、マスクなど様々です。
また、使用した医療器具を廃棄する際は燃焼処理を行いますが、その時に有害物質が発生しないような素材でなくてはなりません。
こういった理由から、プラスチック素材の使い捨て医療器具の使用が拡大しています。
医療器具に使用されるプラスチックの種類と特徴
医療器具にはさまざまな種類のプラスチックが使用されています。
上記でプラスチック製の医療器具を一部ご紹介しましたが、それらに使われているプラスチックは一種類とは限りません。
主にプラスチックはその特徴や性質を活かして医療器具の素材に選ばれています。
種類にもよりますが、軽量性や柔軟性、透明性、耐久性、化学的安定性などの性質があります。
これらの強みから、プラスチックは医療器具の製造に幅広く使用されているのです。
ただし、使用するプラスチック素材は医療規制や規制機関の指針に準拠している必要があり、製品の品質をきちんと確保する必要があります。
岸本工業では開発・研究支援も行っておりますので、素材の選定や設計からご相談いただけます。
今回は、医療器具によく使用されるプラスチックとその特徴をご紹介しますので、ご参考になさってください。
ポリ塩化ビニル
ポリ塩化ビニル(Polyvinyl Chloride:PVC)は柔軟性や耐久性が高く、絶縁性を持つことから、医療器具に広く使用されるプラスチックの一つです。
その用途としては、点滴チューブやカテーテル、血液バッグなどが挙げられます。
ただ、気を付けなくてはならない点があります。
一部の研究で、ポリ塩化ビニルが含有しているフタル酸エステル等の添加材が、環境や人体に影響してしまうリスクがあると報告されています。
その為、現在ではフタル酸エステルフリーのポリ塩化ビニルなどの代替材料の開発が進められています。
なお、岸本工業では新素材や詳細を明かすことができない素材の加工にも対応しております。
ポリプロピレン
ポリプロピレン(Polypropylene:PP)は耐久性や化学的安定性、耐熱性、柔軟性が高いプラスチック素材です。
これらの性質を活かして、注射器や試験管、検査キット、手術用器具などに使用されています。
他にも化学的安定性があることから液体容器に利用され、漏れや腐食のリスクを減らした保管が可能となります。
また、ポリプロピレンは比較的低コストの材料です。
そのため、医療現場において経済的な観点からも注目されている素材です。
ABS樹脂
ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene)は耐久性、耐薬品性、衝撃吸収性などの特性を持っています。
この特徴を活かした用途はいくつかあります。
- 手持ち型の器具
血圧計や聴診器、酸素マスクなどの、軽量でありながら強度が必要な器具に利用されます。 - 歯科補綴物
耐久性と成形加工が容易な点から、歯科補綴物や義歯などに使用されます。 - ドレナージバッグ
化学的な安定性や耐久性、軽量性から液体の収集や排出への使用に向いています。そのため、ドレナージバッグの素材として選択されることがあります。
ポリスチレン
ポリスチレン(Polystyrene:PS)は透明性、耐久性、絶縁性などの性質を持っています。
この特徴を活かした用途はいくつかあります。
- 細胞培養容器
透明性があるため、細胞や組織の成長の観察がしやすくなります。 - Petri皿
細胞培養容器と同様に観察に向いている点から、微生物の培養や検査などで使用されています。 - トレイ
医療機器や医薬品の取り扱いや保管に使用されるトレイに使用されます。ポリスチレンもポリプロピレン同様、比較的低コストの素材であり、入手しやすいものであるため、幅広く使用されています。
なお、岸本工業は今回ご紹介した素材以外の素材(プラスチック・樹脂と呼ばれる素材)全般に対応しております。
岸本工業の医療器具製造技術
医療器具には精度や透明性が必要となる場合もあります。
一般的な切削加工では、プラスチックは金属ほどの精度は出せませんが、岸本工業は金属加工レベルの高い精度で加工いたします。
近年では海外の工場で安価に製造できますが、仕上がったものが求めていた精度ではなかったというお話もよくお聞きます。
そのため、当社へ高い精度を出してほしいとご依頼されるケースもあります。
また、当社は高精度だけでなく可視化加工も強みとしております。
当社はどれほどの透明性を求めるかによって、透明度を調整することが可能です。
先程もご紹介したような、透明性が求められる医療器具の製造は岸本工業にお任せください!
樹脂製の医療器具の製造についてはこちら
樹脂性の医療器具の製造についてご紹介しましたが、お問い合わせいただけますと更に詳しくお話を伺いします。
材料のご相談はもちろんのこと、設計や加工、アッセンブリ、組立などに対応しております。
医療器具の開発・研究段階の試作品製作においては、モノづくり視点でアドバイス・支援いたします。
その他にも「こんな加工できないかな」といったお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
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