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樹脂とアクリルの違いを分かりやすく解説!特性や加工方法などもあわせてまとめています

樹脂とアクリルの違いとは?

樹脂とアクリルの違いについてご説明をするにあたり、まずはそれぞれがどのような物質なのか解説します。

樹脂とは、植物に由来する物質の事を指す言葉です。

植物性樹脂の代表例として松の木があります。

松の樹脂(松脂)は、合成ゴムの乳化剤や接着剤の材料として利用されています。

一方で、化学的に合成された樹脂の事を合成樹脂(プラスチック)と呼びます。

樹脂 アクリル 違い プラスチック

工業の発展に伴い、様々な形状や特徴を持った製品に加工できる事から、あらゆる分野で使用されています。

そこが両者の違いになります。

では、アクリルはどの分類に入るのかというと合成樹脂です。

ただ合成樹脂も樹脂の一部として一緒くたに扱われることが多いです。

そのため、厳密には合成樹脂であるという違いはあるものの、アクリルは樹脂の一種と考えて構いません。

岸本工業はアクリルなどの樹脂やプラスチック全般の加工に対応しております。

特にアクリルなどの透明性樹脂の可視化(透過)加工を得意としており、さまざまな分野で当社の技術が選ばれております。

ここからはアクリルにはどのような特性があり、どんな加工ができるのか詳しく解説します。

アクリルの特性

アクリル樹脂の特性には優れた耐衝撃性と耐候性があります。

こうした特性は、身近な製品(フォトフレームや看板など)から工業製品(飛行機の窓など)までの幅広い製品に活かされています。

樹脂 アクリル 違い 看板

樹脂 アクリル 違い 看板の文字

更にアクリル樹脂には透過性や耐水性・防水性がありますので、水槽やバスタブの材料にも選ばれています。

次に挙げられる特性は、強度と耐久性です。

強度のある素材の代表例としてガラスがありますが、柔軟性というガラスには無い樹脂特有の特性や違いがあります。

このような優れた特性がある事から、多くの製品で使用されています。

衝撃に強く耐候性に優れる

アクリル樹脂の最大の特性である耐衝撃性と耐候性は、ガラスよりも優れています。

また、アクリル樹脂は割れたとしても飛散しにくいため安全性も高いです。

耐候性については、屋外で長期間(10~20年以上) 紫外線や風雨にさらされたとしても耐える事ができるという特性があります。

耐衝撃性と耐候性の特性を利用している例として、水族館の水槽、自動車のランプ類、飛行機の窓、ボールペン、携帯電話の窓、照明器具等などがあります。

透明度が高い

アクリル樹脂の透過性はガラスに匹敵するほどで、樹脂類の中で最も高いです。

水族館の水槽で使用されている事がその証拠です。

樹脂 アクリル 違い 透明度

しかし、メリットばかりではありません。

アクリル樹脂は表面に傷がつきやすいというデメリットも有しております。

その対策として、アクリル樹脂の表面にシリコンを薄く塗る事である程度問題は解決されますが、完全ではありません。

そのため、表面が擦れてしまうような用途には、アクリルではなく摩耗性に優れた樹脂を使用するといいでしょう。

アクリルに似たプラスチックとの違いを比較

アクリルには似たプラスチックがあり、どのような違いがあるのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

アクリルに似た樹脂を例に挙げると、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルペンテン(PMP)などがあります。

それぞれ似ている樹脂ですが、アクリルとは大きな違いがあります。

そこで上記の中でも、工業製品などでよく使用されるポリカーボネートやポリプロピレンとの違いをご紹介します。

アクリルとポリカーボネートの違い

アクリルとポリカーボネートの大きな違いは、耐衝撃性にあります。

ポリカーボネートの方がアクリルよりも耐衝撃性に優れることから、屋根材やスマートフォンのカバーなどに使用されています。

その他にも違いがありますので、性質ごとに比較してまとめました。

  • 透明性:アクリルのほうが高い
  • 耐衝撃性:ポリカーボネートの方が衝撃に対して強い。更にガラスとの比較ではポリカーボネートは約200倍に達する
  • 可燃性:ポリカーボネートの方が燃えにくい
  • 耐熱性、耐熱温度:ポリカーボネートの方がわずかに優れている
  • 耐侯性:アクリルの方が日光の影響を受けにくい
  • 耐摩耗性:ポリカーボネートの方が傷つきやすい

樹脂の性質を比較すると、透明性、耐候性、耐摩耗性においては、アクリルの方が優れるという違いがあることが分かります。

アクリルとポリプロピレンの違い

アクリルとポリプロピレンの大きな違いは耐薬品性です。

アクリルとは違い、耐薬品性があるポリプロピレンは薬品を扱う実験器具などに使用されています。

その他にも下記のような違いがあります。

  • 耐熱性・耐薬品性:ポリプロピレンの方が高い
  • 吸水性:ポリプロピレンの方が低く、水の耐性が高い
  • 強度:ポリプロピレンはアクリルよりも柔軟。曲げた時にアクリルは割れるのに対し、ポリプロピレンは割れにくい
  • 耐熱性:ポリプロピレンは、アクリルに限らず他の樹脂とくらべても耐熱性が高い

二つの素材を比較すると、ポリプロピレンはとても柔軟で耐熱性が高いという違いがあることが分かります。

このことから、電子レンジで使える保存容器などにも使用されます。

このように、性質に違いがあるのでアクリルと似ていても用途は大きく異なります。

下記でも違いを詳しくご紹介しておりますので、あわせて御覧ください。

アクリル板とPP板の違いについて

アクリルやその他樹脂の加工依頼は岸本工業へ!

アクリルなどの樹脂の加工にはさまざまな方法があります。

特にアクリルですと、その透明性を活かした使い方をされることが多いことから、可視化(透過)加工のご依頼が多いです。

樹脂 アクリル 違い 製作物

その他にも、樹脂の切削加工やそれに付帯する曲げ加工、接着などに対応しております。

切削加工においては、高精度加工により高い寸法精度を要する部品の製作を得意としております。

そのため、精密さが求められる計測器や半導体・医療分野の部品・ユニット製作に当社が選ばれております。

中には他社で成形してもらったものの精度が足りなかったため、精度を高くして欲しいと当社へご依頼されたケースもございます。

では、具体的にどのような加工が可能であるのか、また他社との違いなどをあわせてご紹介します。

岸本工業は透明・透過・可視化加工が得意

アクリルは透明性の高い樹脂ですが、必要な透明度を満たしていない場合があります。

例えば実験などで内部の流体を観察する場合は、特に高い視認性が求められます。

樹脂 アクリル 違い 流体可視化実験

なぜなら、内部の様子を肉眼で観察するだけでなく、カメラで撮影して記録することが多いからです。

そのため、写真でも鮮明に内部が認識できるように、透明度を上げなければなりません。

求める透明レベルはご依頼内容によって異なりますので、必要に応じてサンプルですり合わせるなど、確認をしながらレベルを調整いたします。

樹脂 アクリル 違い 可視化レベル

他社との違いは、磨きでは仕上げないところにあります。

多くの業者では仕上げに表面を磨くことで透明度を上げますが、そうするとダレたり寸法精度が失われてしまいます。

当社の可視化加工は磨きで仕上げるわけではありませんので、寸法を正確に再現いたします。

このような他社との違いにより、複数の部品で構成されている装置やユニットのはめあいなどに、しっかりと対応することができるのです。

可視化加工に加え、透明レベルの調整、そして高精度の加工。

これらの技術力により、多くの開発・研究所や大学からもご依頼を承っております。

材料の違いや選定もご相談ください

先程もご紹介したように、アクリルの他にも透明性樹脂やその他性質が似ている樹脂はたくさんあります。

樹脂 アクリル 違い PMP

似ているからと選んでしまうと、用途に合っていなかったり、加工に向いていないということもあります。

また、材料費も異なりますので性質に加えてコストにも目を向けなければなりません。

しかし、全ての材料を詳細に把握することは難しいでしょう。

もしそのようなお悩みがある場合は、ご依頼する際にその旨ご相談下さい。

岸本工業は他社とは違い、材料選定や調達にもご対応いたします。

アクリル加工のお見積りやご依頼はこちら

アクリル加工のお見積りやご依頼などは下記お問い合わせ先よりご連絡下さい。

【お問い合わせ先】
電話 03-5703-8171
FAX 03-5703-8173
お問合せフォーム

当社は試作・開発の支援を行っておりますので、設計図がなく構想の段階からのご相談が可能です。

お問い合わせをいただきましたら、詳しくご依頼内容を伺い、必要に応じてお打ち合わせをいたします。

加工や製作について疑問や不安などございましたら、お気軽にご相談ください。

業界を知り尽くした当社スタッフが、より良いモノづくりとなるようご提案いたします。