テフロン加工を依頼する前に:加工方法の違いを知る
テフロン(PTFE)は、耐熱性・耐薬品性・低摩擦性に優れた特殊な樹脂であり、産業用から日常製品まで幅広く使用されています。
しかし、その特性ゆえに加工が難しく、適切な加工方法を選ぶことが重要です。
テフロンの加工方法は、大きく分けて 「切削加工」、「成形加工」、「コーティング」 の3つがあります。
それぞれの特徴と適した用途を理解し、適切な加工業者を選ぶ際の参考にしましょう。
岸本工業では10個から200個といった多品種小ロットのテフロン切削加工を得意としており、試作品や小ロット生産をご検討のお客様に最適な加工をご提案できます。
また、量産をご希望の場合も、最適な方法のご提案・取りまとめが可能ですので、まずはお気軽にご相談ください。
テフロン切削加工業者の選び方
テフロン切削加工を依頼する際、業者選びを間違えると、精度不足、コスト高、納期遅延などのリスクが発生します。
特に、小ロットや試作を検討している場合、業者ごとに対応範囲が異なるため注意が必要です。
ここでは、業者を選ぶ際のチェックポイントと、見積もり依頼時に押さえておくべき事項 について解説します。
加工業者選びで失敗しないポイント
① 加工精度
テフロンは温度変化による影響が大きいため、どこまでの寸法公差に対応できるか を確認することが重要です。
一般的に、50mm角や100mm角のテフロン素材では±0.1~0.2mm程度の公差が限界であり、切削の条件や加工方法によって精度が大きく変動します。
テフロンは法許容差の幅が比較的大きく設定される傾向にありますが、特に精度を求める場合は、どこまでの公差が保証できるか加工業者に事前確認が必要です。
② 対応可能な材料
テフロン(PTFE)のみならず、PFAやFEPなどのフッ素樹脂の加工実績があるかも重要なポイントです。
特に、耐薬品性や耐熱性を求める用途 では、PFAやFEPが適しているケースもあるため、加工業者がどこまで対応可能かを事前に確認しましょう。
③ 試作対応
試作や小ロット生産では、業者によって対応可否が分かれることがあります。
1個から対応可能か?試作後に量産へスムーズに移行できるか?を事前に確認することで、試作と量産で別々の業者を探す手間を省くことができます。
④ 費用
1個あたりの単価だけでなく、初期費用(プログラム作成費・治具費用など)が発生するか を確認しましょう。
特に、試作と量産で費用が大きく異なるため、両方の概算を聞いておくとスムーズです。
見積もり依頼時のポイント
テフロン切削加工を依頼する際には、具体的な要件を明確に伝えることが重要です。
以下のポイントを押さえることで、より正確な見積もりを取得できます。
① 加工可能な最小ロット・最大ロット数
業者によって対応できるロット数が異なるため、小ロット(10個以下)から対応可能か?最大ロット数はどこまでか?を確認しましょう。
試作と量産で対応範囲が異なることがあるため、試作時の最小ロットと量産時の最小ロットと最大ロットをそれぞれ聞いておくと安心です。
② 試作・量産の納期目安
試作から量産までのリードタイムを確認しましょう。
特に、試作と量産では納期が異なるため、「試作は何日、量産は何日」と分けて確認するとスケジュール管理がしやすくなります。
③ 追加費用の発生
テフロンは寸法公差が厳しくなるほど加工難易度が上がるため、設計変更による追加費用が発生する場合があります。
お客様が自身の設計をもとに見積りを依頼する際には、必要な精度を満たしつつ、要件を満たすための設計の見直しが可能かどうかを検討することも重要です。
また、形状によっては追加の加工治具や特殊工具が必要になるケースもあるため、設計変更が発生した際の費用がどの程度かかるか、事前に加工業者に確認しておきましょう。
④ 初期費用(治具や特殊工具が必要な場合)
テフロンの切削加工では、形状が複雑な場合、専用の刃物や加工治具を製作した上で加工することがあります。
テフロンの切削加工は、よく豆腐を削るようなイメージに例えられます。
また、刃物の切れ味がすぐに落ちるため、特殊な工具が必要になる場合があることを考慮する必要があります。
特に高精度な加工が求められる場合や、複雑な形状を実現する場合には、専用の加工治具の製作が必須であり、その製作費用を事前に確認しておくことが必要です。
⑤ テフロンの入手性
テフロンは、他の樹脂と比べて入手性が悪い(調達が難しい)ため、加工前に十分な設計検討が求められます。
特に、QCD(品質・費用・納期)の観点から、本当にテフロンである必要があるかを検討することが重要です。
使用用途によっては、テフロンではなく別の材料で代替できる可能性もあるため、加工業者と相談しながら適切な材料を選定することをおすすめします。
テフロン切削加工の費用例
テフロンは一般的な樹脂よりも素材単価が高く、加工難易度も高いため、他の樹脂に比べて費用がかかる傾向があります。
本章では、岸本工業におけるテフロン切削加工の費用例と費用を抑える方法をご紹介します。
実際の費用
テフロン切削加工の費用は、部品サイズ・精度・加工の難易度によって大きく異なりますが、前提を置いたうえで加工費用を以下に整理しました。
※上記はあくまで当社の参考価格であり、加工業者や加工前提によって前後します。
また、加工費用のみの目安であり、配送費・検査費・設計費などは別途発生します。
費用を抑える方法
テフロン切削加工は、材料費の高さや加工の難易度により費用が高額になりやすいですが、設計や発注方法を工夫することで費用を抑えることが可能です。
岸本工業では、お客様の用途に合わせた最適なVA/VE提案を行い、無駄のない加工をサポートします。
① 加工公差を適正に設定する
寸法公差が厳しくなると加工精度を上げるために工数が増え、費用が上がります。
適正な範囲(±0.1~0.2mm程度が限界)に設定することで加工費用を抑えることが可能です。
② 発注数量をまとめる
試作や小ロットの場合、1個あたりの単価が高くなります。
10個単位や20個単位で発注することで、加工効率が向上し、1個あたりの費用を削減できます。
③ 材料の歩留まりを考慮する
板材(シート)を使用する場合、1枚のシートから最大限の部品を取るように設計を工夫することで、材料ロスを削減し、無駄な費用を抑えることができます。
④ 部品形状を最適化する
シンプルな直線・円形の部品は比較的加工しやすく、費用を抑えられます。
一方、複雑な立体形状は加工工数が増えるため、形状を簡素化できる場合は費用削減につながります。
⑤ 代替材料を検討する
摺動性や耐熱性が求められる場合、MCナイロンやPOM(ジュラコン)、PEEKなどの代替材料を使用することで費用を抑えつつ、目的に適した部品を製作できます。
⑥ 設計の見直しによる費用削減
不要な加工工程を減らすことで、工数を削減し、費用を抑えられます。
例えば、一体成形ではなく分割設計にすることで加工負担を軽減できる場合があります。
岸本工業では、これらのポイントを踏まえ、お客様のニーズに最適な加工方法や費用削減案をご提案します。
加工費を抑えつつ品質を確保したい方は、ぜひご相談ください。
岸本工業のテフロン切削加工の強み
精密加工技術
① 治具屋ならではの加工ノウハウ
岸本工業では、専用の加工治具を活用することで、ワークの固定方法や加工順序を最適化し、高精度の加工を実現しています。
例えば、薄肉のテフロン部品は、従来の方法では加工時にたわみや変形が発生しやすく、寸法のばらつきが大きくなることがあります。
これに対し、圧力を分散させる専用の加工治具を用いることで、ワークを均等に固定し、変形を抑えながら加工を行います。
さらに、複雑な形状やクランプが難しい部品の場合も、専用の加工治具によって固定方法を工夫することで、通常の加工では難しい精度を実現することができます。
このように、単なる切削加工ではなく、治具・加工順・固定方法を組み合わせた最適なアプローチによって、難易度の高いテフロン加工にも対応できるのが岸本工業の強みです。
② 旋盤加工の工夫
テフロンの旋盤加工では、ワークの固定方法が加工精度を大きく左右します。
テフロンの切削は「豆腐を削るような感覚」に近く、潰れやすい性質があります。
そのため、加工時に適切に固定しないと、狙った寸法精度を出すことが難しくなります。
岸本工業では、豊富な経験に基づいたチャッキング技術を活用し、ワークの変形を最小限に抑えながら加工するノウハウを持っています。
例えば、ワークのつかむ位置や圧力を適切に調整することで、寸法精度を確保しつつ、安定した加工を実現します。
ただし、この加工方法では、つかみ部分に余分な材料が必要となるため、結果として歩留まりが悪くなることも事実です。
例えば、1mの丸棒から単純計算で20個取れる場合でも、つかみ部分の確保が必要になるため、実際にはそれよりも少ない数しか取れません。
こうした課題にも対応できるよう、岸本工業では豊富な加工実績を活かし、最小限のロスで加工する方法を提案しています。
単純につかんで削るだけではなく、ワークの固定方法や加工順序を最適化し、素材を無駄なく活かせるノウハウを持っていることが強みです。
③ 最小ロット1個から対応
岸本工業では、試作品として最小ロット1個からのテフロン切削加工に対応しています。
試作品や特注部品の製作では、「まず1個だけ試してみたい」「小ロットで作りたいが対応してくれる加工業者が見つからない」といったご相談を多くいただきます。
一般的な加工業者では、大量生産を前提とした発注を求められることが多く、小ロット対応が難しいケースも少なくありません。
しかし、岸本工業では試作・少量生産に特化した設備とノウハウを活かし、1個からでも精度の高い加工を提供しています。
特にテフロンは、寸法公差が厳しくなると加工難易度が上がるため、小ロットの試作段階でしっかりと精度を確認することが重要です。
試作品を通じて形状や機能を検証し、必要に応じて設計の微調整を行うことで、最終的な量産時の課題を事前に解消することができます。
費用最適化の提案
岸本工業では、設計段階から加工費用の最適化を考慮し、試作から量産まで一貫した対応を行っています。
テフロンは材料単価が高く、加工も難易度が高いため、単に「設計通りに加工する」だけではなく、費用削減の視点を持ったご提案をすることで、お客様の費用負担を最小限に抑えることを心掛けています。
① 設計の最適化による費用削減
テフロン切削加工では、設計のわずかな変更が費用に大きく影響することがあります。
例えば、
- 目的に応じた適切な加工公差に緩和することで、加工時間を短縮し費用を削減
- 過剰な高精度部分を見直し、適切な加工方法に変更
- 材料取り(歩留まり)を考慮した設計にすることで、無駄な素材のロスを削減
- ネジ穴加工や溝加工の形状を見直し、特殊工具の使用を減らす
といった工夫により、QCDの観点で最も効率的に製作するための設計を行います。
設計からご相談いただくことで、試作・量産を見据えた費用最適化が可能になります。
② 試作から量産までワンストップ対応
テフロンの試作と量産を異なる加工業者に依頼すると、加工方法の違いや精度のばらつきが発生するリスクがあります。
「試作はできたが、量産時の費用が合わない」「設計通りに加工すると高額になってしまう」といった課題に対して、岸本工業では設計から量産まで一気通貫のサポートを提供し、最適なコストでの製作を実現します。
まとめ:テフロン加工は特に適切な加工業者選びを
テフロンの切削加工は、加工方法や精度、費用に大きく影響を与えるため、適切な加工業者を選ぶことが非常に重要です。
テフロン加工には、切削加工・成形加工・コーティングなどさまざまな方法があり、目的に応じて得意とする加工業者が異なります。
適切な業者を選ばないと、思ったような精度が出ない、費用が想定より高くなる、納期が長引くといった問題が発生することがあります。
特に、小ロットや試作段階でのテフロン切削加工では、加工技術・設備・経験を持つ加工業者を選ぶことが重要です。
「どの加工方法が最適かわからない」「費用を抑えながら高精度な加工を依頼したい」といったお悩みがあれば、ぜひ岸本工業にご相談ください。
目的に合った最適な加工方法をご提案し、スムーズな製品製作をサポートいたします。
【お問い合わせ先】
電話 03-5703-8171
FAX 03-5703-8173
お問合せフォーム