ポリイミドの切削加工について解説
ポリイミドの切削加工をご検討中の方、また加工メーカーをお探しの方に、ポリイミドがどのような材料なのか、また切削性についてご説明します。
ポリイミドはスーパーエンジニアプラスチックと呼ばれる材料の一種です。
様々な性能を持っており、切削性も良く加工しやすいため、寸法安定性に優れています。
ただ材料の価格が高価なため、材料選定に失敗しないようにポリイミドについて詳しく知っておく必要があります。
この記事でご紹介する内容は下記のとおりです。
- 特性と注意点
- 切削加工について
ポリイミドについて理解することで、材料選定や工法の選択にお役立ていただければと思います。
なお、プラスチックを専門に加工を行う岸本工業では、加工・製作のご依頼の際に材料選定のご相談も可能です。
材料選定や工法についてお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
ポリイミドとは
ポリイミドとは、分子にイミド結合を含む高分子の総称です。
幅広い温度変化に耐性を持ち、高い強度や電気絶縁性、耐薬品性などに優れていることからスーパエンプラ(スーパーエンジニアリングプラスチック)と呼ばれています。
このように優れた性質を持つため、汎用プラスチックでは対応できない環境下で使用されることがあります。
実際にどのような特性があり、どのような場面で使用されるのか、ここからはポリイミドの特性、切削性、用途などを更に詳しくご説明します。
ポリイミドの特性
スーパーエンジニアプラスチックに分類されるポリイミドは、汎用プラスチックに比べて優れた性質を持ちます。
ポリイミドがどのような特性を持つのか、分かりやすく下記にまとめました。
- 耐熱性が高い
- アルカリ以外の薬品に耐性がある
- 高温時の引張強さが高い
- 電気特性はマイナス温度から高温までほぼ変化なし
- 耐熱温度が450度以上
- 熱膨張率が小さいので寸法精度が良い
- 熱伝導性が高い
これらの特性があるため、汎用プラスチックよりも多岐にわたる用途で使用されるのです。
特に450度以上の高温に耐えられる性質や寸法精度の良さは、部品などの軽量化を目指すあらゆる分野で注目を集めています。
ポリイミドの注意点・デメリット
ポリイミドを材料に選ぶ時の注意点は、透明性のある材料ではないことです。
ただ、最近では透明ポリイミドの開発が進んでおり、透明度の高いフィルムやワニスが販売されています。
近い将来、フィルムやワニス以外にも透明なポリイミドが出るかもしれませんが、現状では厚みのあるポリイミドに透明性はありません。
また材料費が高い点もデメリットの一つです。
プラスチックの価格と耐熱性は概ね比例するため、優れた耐熱性を持つポリイミドは高価な材料なのです。
耐熱性が低く、お手頃な価格のポリ塩化ビニルに比べると、ポリイミドのグラム単価は100倍近く異なります。
ポリイミドは切削加工ができるのか
ポリイミドは切削加工が可能です。
その性質から切削性が良く、強度もあるため切削加工に向いています。
また優れた耐熱性を持つポリイミドは、切削中に高温になった際に熱膨張が起きにくいため、寸法安定性もあります。
しかし、プラスチックの切削加工には豊富な知識と経験が必要になります。
また高価な材料であるため、希望の寸法精度で仕上げてもらえるのかなど、加工メーカーをお探しになる際には慎重にご検討されたほうが良いでしょう。
切削加工の種類
切削加工の種類は、大きく分けて2種類あります。
- 旋盤加工
- フライス加工
旋盤加工はワーク(加工物)を固定して高回転させ、専用の刃物で切削します。
対応範囲は、穴あけや端面削り、ねじ切りなどの切削加工に対応しています。
フライス加工は、ワークではなく切削工具を回転させて切削します。
フライス加工は材料を回転させないため、平面や曲面の加工、また穴あけ加工も可能です。
ポリイミドは旋盤加工、フライス加工のどちらでも加工をすることができます。
ポリイミドの切削加工品の用途
ポリイミドはその優れた耐熱性や絶縁性、耐薬品、機械的強度の高さから、下記のような様々な分野で活躍しています。
- 電気・電子部品
- モーター部品
- 機械・自動車部品
- 航空・宇宙産業関連部品
- 医療機器部品
機械的強度や耐熱性に優れるため、産業分野の金属代替素材として選ばれることも多いです。
ポリイミドの加工は高い技術が必要になりますので、それぞれの分野の部品の加工実績や知識が豊富なメーカーにご依頼することをおすすめします。
ポリイミドの切削加工の技術について
ポリイミドの切削加工に対応している加工メーカーは数多くあります。
その中でも岸本工業は、高精度・精密加工を強みとしております。
そのため、測定機器、半導体・医療関連部品などの精度が求められる部品やユニットの製作実績が豊富です。
また対応範囲も広く、ポリイミドなどの樹脂の切削加工に付随する加工や部品の調達なども行っております。
岸本工業は多くの製造業者が集まる大田区にあり、難加工を得意とするメーカーと協力体制にあります。
ポリイミドの切削加工部品の他、必要となる部品をあわせて調達することができ、さらには組み立てて完成した状態で納品することも可能です。
ここからは、弊社の加工技術につきまして、より詳しくご紹介いたします。
高精度の切削加工技術
弊社の切削加工による寸法精度は、指定寸法に対して±0.03mmを基準としております。
ただ、フルフラット加工という当社の高精度板厚加工においては、プラス公差・マイナス公差をそれぞれご指定の公差にあわせて製作いたします。
フルフラット加工は優れた面精度を出すことができる加工で、板厚が均一な仕上がりとなります。
そのため、次工程の作業効率を上げることができたり、材質転換に適しているとご好評いただいております。
特に近年、ポリイミドなどのエンプラは金属の代替材料として注目を集めています。
そういった精度を求める精密加工を可能とするメーカーをお探しの方は、一度岸本工業へお問い合わせください。
ポリイミドの切削加工のご依頼は岸本工業へ
ポリイミドは切削性が良いため加工しやすい材料ですが、弊社ではより高い精度での加工を実現します。
また切削加工だけでなく、その他必要となる素材の部品調達、図面化や材料選定にも対応しております。
もしご依頼の際に図面が無い、または材料の選び方が分からない場合でもお気軽にご相談ください。
特にポリイミドは高価なため、なるべくコストを抑えたいとお考えの方もいるでしょう。
ご依頼内容によっては、高価な樹脂ではなく他の樹脂でも対応できることがあり、材料選定を見直すことで結果的にコストが抑えられることもあります。
ポリイミドの切削加工のご依頼、またお見積り依頼につきましては、下記のお問い合わせ先よりご連絡ください。
【お問い合わせ先】
電話 03-5703-8171
FAX 03-5703-8173
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