セプラは樹脂の一種
セプラは樹脂の一種で、ビフェニルテトラカルボン酸二無水(BPDA)とジアミンとの縮重合によって形成されるポリイミド成形体です。
多岐にわたる優れた特性を持っており、特に熱への高い耐性は多くの分野で注目されています。
セプラのラインナップには、セプラ、エキストラ、セプラGⅠ、GⅡ、セプラSA101、セプラSA201、セプラSA101Dなど多くの種類の樹脂があります。
各種樹脂の特性などについては、後ほど詳しくご説明します。
まずはセプラの標準グレードについて詳しくご紹介します。
セプラが持つ樹脂の特徴
セプラの最大の特徴は、樹脂であるのに高温条件下での持続的な安定性を持っていることです。
汎用樹脂は熱に耐えられず高温下で変形してしまいますが、セプラは高温での使用時における変形のリスクを軽減します。
さらに、PV値の高い状態でも安定しているため耐摩耗性にも優れている樹脂で、長期間の使用を可能とするのも特性の一つです。
化学物質への抵抗力も高く、耐アルカリ性や耐酸性に優れており、吸水による樹脂の寸法変化もありません。
もし、セプラなどの耐熱性に優れた樹脂の材料選定や加工は、岸本工業にご相談ください。
弊社では、加工や製作の内容や用途・目的にあわせた樹脂材料の選定や加工方法をご提案いたします。
セプラの種類と樹脂の特性
セプラには種類(グレード)がいくつかあり、そのグレードによって特性が異なります。
先程ご紹介したのは標準グレードの特性で、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性などに優れた樹脂です。
熱変形温度は360℃ですが、他のグレードの樹脂にはそれ以上の温度に耐えられるものもあります。
このように、グレードによって特性が異なりますので、部品などの製作において樹脂材料の選定などをされる際には、事前にそれぞれの特性を把握しておきましょう。
では、セプラの各グレードにどのような特性があるのか詳しく解説します。
耐熱性に優れるエキストラ
エキストラは、セプラの中でも耐熱性に焦点を当てたグレードの樹脂です。
なんと熱変形温度が500℃に達するため、機械や設備の高温部分での連続使用が可能となります。
耐熱劣化性にも優れているため、高温下においての引張り強さや曲げ強度の劣化は標準グレードと比べても安定しています。
その他、耐薬品性や絶縁性も標準グレードと同等に優れており、より幅広い分野で使用することができます。
ただエキストラは、標準グレードに比べて柔軟性がなく硬いという特徴もある樹脂です。
摺動性に優れるセプラGⅠ、GⅡ
セプラGⅠ、GⅡは、標準グレードの摺動性をさらに向上させたグレードです。
このシリーズではグラファイトを配合しており、これにより摩擦特性が大幅に強化されています。
特に、高度な摩擦環境下での安定した使用が可能となり、動きの多い部分や高負荷がかかる部分の部品などへの使用に適しています。
具体的には、産業機械や輸送機器の部品にセプラGⅠ、GⅡの利用が増加しています。
酸素プラズマ耐性に優れるセプラSA101
セプラSA101は、セプラの標準グレードよりも熱変形温度が高いだけでなく、酸素プラズマ耐性や低吸水性といった特性も併せ持つグレードです。
これらの特性を持つ樹脂であることから、半導体製造装置部品や精密加工品などの特定の用途で使用されます。
特に半導体製造装置部品には、酸素プラズマ耐性のみならず高い耐熱性や特定の環境下での安定性が求められます。
耐熱性は標準グレードよりも高く(熱変形温度は470℃)、低温から高温まで広い範囲で安定しています。
機能性とコストパフォーマンスに優れるセプラSA201
セプラSA201は、セプラの中でバランスの取れた特性を持つグレードとして知られています。
この樹脂は、高い耐熱性を維持しながらも、コストパフォーマンスに優れています。
そのため、コストと機能性のバランスの良いセプラSA201は、より広い用途で選ばれます。
具体的には、アッシャー部品、ベアリング、ボルト、ナット、シールリングなど、半導体製造部品から各種機構部品にまで幅広く使用されます。
また、化学的耐性や電気絶縁性も高く、多種多様な分野で適応できる特性があります。
電気的特性に優れるセプラSA101D
汎用樹脂は、絶縁性が高いが故に帯電しやすいという問題点があります。
帯電すると、精密機器部品の故障に繋がることがあるため、材料は慎重に選ばなければなりません。
セプラSA101Dは帯電防止グレードですので、半導体や電子機器などの精密機器部品の製造において適した材料です。
そのため、半導体部品、電子部品、搬送用トレーなどにセプラSA101Dを使用することで、静電破壊などのトラブルを軽減でき、製品の品質を保つことができます。
精密機器部品の導電性トレーにつきましては、下記記事でもご紹介しておりますのであわせてご覧ください。
セプラの切削加工性
セプラはスーパーエンプラ(スーパーエンジニアリングプラスチック)と呼ばれる樹脂の一種です。
スーパーエンプラといえば、切削加工が困難で加工費が高くなるというイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
しかしセプラは切削加工性に優れている樹脂ですので、高精度加工を可能とします。
岸本工業では、セプラなどの耐熱樹脂の高精度切削加工を得意としております。
そのため、精度が求められる検査治具の製作や、半導体・医療分野の部品加工などの実績が豊富です。
樹脂材料の選定の段階からご相談を承っておりますので、まずはお問い合わせください。
セプラなど樹脂の精密加工はお任せください
セプラは、その特性から様々な分野での利用が増加しています。
岸本工業では、金属加工に匹敵する高い精度での樹脂加工を実現しています。
樹脂・プラスチックを専門的に扱う弊社は、これまでに数多くの実績を積み、培ってきた技術力により高品質に仕上げます。
お客様のニーズに合わせた加工・製作をいたしますので、ご要望などございましたらお気軽にお申し付けください。
【お問い合わせ先】
電話 03-5703-8171
FAX 03-5703-8173
お問合せフォーム