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アクリル製オーダーメイド製作事例5選|透明度と精密加工で選ばれる理由

「透明度」「精密加工」で技術要望に応える

アクリルは、光の透過性が高く、切削や接着後も美しい透明感を維持できる素材です。

岸本工業(以下、当社)では、このアクリル素材を用いたオーダーメイド加工において、切削加工・アセンブリ・研磨の各工程に対応し、多様なニーズに応えています。

当社のアクリル製のオーダーメイド加工の特徴は下記の通りです。

  • 旋盤・マシニング・フライスなどの設備を活用し、複雑形状や微細加工、細穴・溝・テーパーといった難加工にも対応可能
  • 接着やネジ固定などを組み合わせ、用途に応じた構造提案とアセンブリに対応
  • 独自の切削技術により、研磨工程に頼らず切削面のままで高い透明度を実現
  • 必要に応じて手仕上げを行い、最終品質を丁寧に調整
  • 図面がなくても、イメージや用途に基づいて相談可能

本記事では、当社がどのように「透明度 × 加工精度」を両立し、製造業の設計・開発担当者の課題に応えているかを、具体的な事例とともにご紹介します。

アクリル製のオーダーメイド製品の製作事例

ここでは、当社が対応したアクリルのオーダーメイド製品の製作事例をいくつかご紹介します

アクリル製オーダーメイド事例①:液体の流れを観察するための筒状部品

お客様のご要望・課題

バイオサイエンス分野の企業から、液体の流れを観察するための筒状部品について問い合わせをいただきました。

装置内部の流路を目視で確認する必要があり、透明度が求められていました。

しかし、ご要望いただいた形状は全長250㎜と長尺であり、加工難度が高くコストや納期の面でも大きな課題がありました。

加工のポイント・成果

長尺かつ深い位置にテーパー形状があるため、一体加工では削り出して透明度を出すことが困難と判断し、二つに分割して加工後に接着する方法をご提案しました。

こうすることで加工難易度が大幅に下がり、透明度の再現性を高め、使用工具のコストも抑えることができました。

分割部分の位置合わせは、お互いに段をつけた加工にしたあと双方を合わせることで位置をピッタリ合わせました。

アクリル製オーダーメイド事例②:ノズル

お客様のご要望・課題

装置メーカー様から、アクリル製ノズルについてリピートのご依頼をいただきました。

当社ではこれまで何度も受注している実績のある製品です。

サイズは3mm×40mmと小型で、先端が細くなるテーパー形状を持ち、流体の噴射や絞りに用いられます。

加工のポイント・成果

加工において最大の課題は、テーパー部の終端が非常に割れやすい点でした。

特に材料が薄いため、いかに割れを防ぎながら精度と透明度を保つかがポイントとなりました。

当社では旋盤とマシニングセンタを用い、切削角度や加工条件を最適化。

さらにチャッキング(材料をつかんで固定する工程)のノウハウを活かし、加工時の負荷を最小限に抑えることで安定した仕上がりを実現しました。

また、面取りを丁寧に施すことで割れ・欠けを防ぐとともに、使用時の安全性を確保しました。

こうした加工方法の工夫やノウハウの積み重ねにより、お客様のリピートオーダーに対応することができています。

アクリル製オーダーメイド事例③:油を入れるための容器

お客様のご要望・課題

電機業界の企業様から長年採用されている油を入れるためのアクリル容器。

長年のリピート注文を通じて信頼をいただいている製品であり、密閉性と耐久性が特に重視されています。

加工のポイント・成果

製作にあたっては、接着構造の容器としています。

両側から金属棒を挿入して使用するため、フライス加工で板材の加工精度を上げて位置ズレを防いでいます。

丸形状部分は旋盤加工で加工し、板材を接着加工したあと位置合わせして接着しています。

透明度の高いアクリル材を使用することで、内部の液体の状態を視認可能にし、機能性と美観を両立。

長年の実績に裏打ちされた信頼性の高い加工技術が活かされた事例であり、精度の高いオーダーメイド製品として評価されています。

液体を扱う現場では漏れのない構造は必須条件のため、細部まで安全性と視認性を両立させた加工が特徴です。

アクリル製オーダーメイド事例④:展示会で利用する部品固定用の大型台座

お客様のご要望・課題

展示会やショールームで使用される、部品固定用の大型アクリル製台座。

サイズは300 mm×250 mm×50mmと比較的大きく、左右に部品を固定して受ける構造です。

展示用途であるため透明度と美観が特に求められ、来場者の目に触れる場面で見栄え良く仕上げることが課題となりました。

加工のポイント・成果

加工はマシニングセンタを用いて高精度に仕上げています。

大型サイズゆえに加工面の仕上がりが粗くなりがちですが、「部品とのはめあい」と「展示用の台座」という精度と美観の双方を重視する用途上、表面を滑らかに加工して精度の狂いが生じないように仕上げました。

仕上げには手作業による研磨を施し、透明度を一層高めています。

精度の高い加工により研磨工程は最小限に抑えることができ、効率的かつ美しい仕上がりを実現しました。

ネジ穴加工も施し、上部にカバーを取り付ける構造にも対応しています。

展示用途では「キレイに見せる」ことが重視されるため、設計段階から丁寧なヒアリングを実施しました。

透明性と加工精度を活かし、見た目と機能性を兼ね備えたオーダーメイド製品として、製品をより引き立たせる展示台に仕上がりました。

アクリル製オーダーメイド事例⑤:スノードーム型サンプル

お客様のご要望・課題

展示用の見本として、オーダー品をベースに当社でアレンジした試作品を製作しました。

内部に液体を入れることで可視化を目的とした構造であり、液体の動きや液体が漏れない機構を直感的に理解できるように工夫しています。

加工のポイント・成果

加工にあたっては、透明度を確保しながらドーム形状を仕上げることが重要でした。

ターニングセンターを使用し、高精度な曲面加工を実現しています。

研磨せずに透明度を確保できるよう切削工程を工夫し、美観を保ちながら効率的に仕上げました。

さらに、液体が漏れないように台座を追加し、接合部にはシリコンを挟んで密閉性を高めています。

本製品は単なる切削加工だけでなく、アセンブリを含めて仕上げている点も特徴です。

樹脂ネジで固定することで構造を安定させ、内部の液体を安全に保持できる設計としました。

また、色水を用いることで視認性を向上させ、展示会やショールームにおいて来場者にわかりやすくアピールできる仕上がりとしています。

オーダー品を基にしたアレンジにより、可視化・美観・密閉性を兼ね備えた展示用見本が完成しました。

アクリル製のオーダーメイド加工は岸本工業まで

アクリル加工では、透明度や加工精度など、いくつもの条件を同時に満たすことが求められます。

当社では、これまで培ってきた技術と経験を活かし、お客様のご希望に合わせたオーダーメイド製品づくりをお手伝いしています。

「まずは1点だけ試作してみたい」「展示会に合わせてサイズや形状を調整したい」など、ちょっとしたご相談からでも柔軟に対応いたします。

設計段階でのご相談や、短納期・数量調整などもお気軽にご相談ください。

アクリル製品のオーダーメイドをご検討中の方は、どうぞ当社までお気軽にお問い合わせください。

【お問い合わせ先】
電話 03-5703-8171
FAX 03-5703-8173
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