プラスチックの耐熱性の話。

お客様とお話している中で
「プラスチック=熱に弱い」というイメージをよく受けます。
真夏の車内でやわらかくなっちゃってたとか
お湯かけたら溶けちゃうとか
確かにそんなことありますね。

じゃあ逆に熱に強いプラスチックってどのくらいまでもつの?

当社で取り扱っている切削用の素材では
500℃付近まで耐えられるものもあります。

「耐熱」といっても長時間耐えられる温度・たわみが出てくる温度・融点などいろいろ指標があるので
細かいことをいえば前後してしまうのですが、今回は連続使用温度で比較してみました。
(カッコ内は製品の一例)

【連続使用温度毎の素材例】ごく一部です。

55℃ … ABS(カメラ・PCの筐体、化粧品のコンパクトケースなど)
60℃ … 塩ビ(雨どい)
     ポリエチレン(ペットボトルのキャップ)
70℃ … PET(ペットボトル本体)
80℃ … アクリル(店頭のディスプレイスタンドなど)
     ポリスチレン(プラモデル、100円ショップの文房具)
95℃ … ポリアセタール(家具・家電の部材、リコーダー、模型部品など)
120℃ … ポリカーボネート(プラスチックの哺乳瓶)
130℃ … 紙ベークライト(配電盤など 
220℃ … PPS(電装部品・電気電子部品)
260℃ … PEEK(半導体・液晶製造装置部品)
     テフロン(フライパンの表面コーティング)
500℃ … セプラ

この他、断熱板の類でも400~500℃に耐えるものもあります。

耐熱性と材料価格は概ね比例しますので、高ければ高いほど高価になります。
以前セプラの支給材を加工させていただきましたが、そのかたまりが軽く100万超え(!)で
それはそれはシビレました・・・出来上がった加工品は火星に飛んでいったとか。

設計・加工メーカーさんには「樹脂の耐熱素材=PEEK」として広く認識されているようなのですが
同等レベルの耐熱性でコストを下げたいのであれば、当社ではPPSをお勧めしています。
切削性もよく、寸法安定性も抜群なので加工側としても加工しやすい素材です。
(但し用途によりますので要相談)

■画像左:PEEK  右:PPS  見た感じ似ていますが爪で弾くと音が違います。

耐熱500℃は大分特殊な用途になりますが
材料の選定には耐熱性以外にも耐薬品性・耐摩耗性・体積抵抗値・寸法安定性・コストとのバランスなど
さまざまな条件との兼ね合いがありますので
どれを選んでいいかわからないときは、営業担当までお気軽にお尋ねください。