規格品や一般的な加工では対応が難しい薄板や長尺材、スーパーエンプラなどの加工では、用途や後工程まで考慮した加工方法が求められることがあります。
岸本工業のフルフラット加工は、お客様の用途や要求精度に合わせて加工条件を最適化するオーダーメイド加工です。
段差や反り、うねりを抑えた高い平面精度を実現し、追加研磨や組立調整など後工程の品質向上や工数削減にも貢献します。
本記事では、フルフラット加工の特徴や一般的な加工との違い、活用されるケース、導入メリットについてご紹介します。

規格品や一般的な加工では、板厚精度の確保が難しいケースがある
製造業において、板厚精度は部品性能や後工程の品質に影響する重要な要素です。
特に装置部品や接着・貼り合わせ用途では、板厚のばらつきが品質に影響するため、一般的な切削加工では条件によって対応が難しい場合があります。
特に、以下のような案件では、高い板厚精度が求められます。
- 極薄板(ミリ以下)の高精度加工
- 長尺や大型サイズ
- スーパーエンプラなどの難削材
- 接着・密着など後工程前提の部品
このような案件では、単なる平らに加工するだけではなく、板厚を均一にそろえ、累積誤差を抑える加工が求められます。
岸本工業のフルフラット加工が、一般的な加工と異なる理由
一般的な板厚加工との違い
岸本工業のフルフラット加工は、単に平らに加工する技術ではありません。
一般的な板厚加工とは加工方法や仕上がりの考え方が異なり、用途や後工程まで考慮した加工を行っています。
フルフラット加工と一般的な加工の違いを整理すると、以下の通りです。

フルフラット加工と一般加工の違い
このように、フルフラット加工は単なる精度向上ではなく、後工程を前提とした加工条件や仕上がりの考え方そのものが異なります。
この違いにより、二次加工や組立工程における調整工数の削減や、品質の安定化につながります。
フルフラット加工による段差を抑えた仕上がり
一般的な板厚加工では、複数回に分けて加工を行うため、加工のつなぎ目にわずかな段差が生じることがあります。
一方、岸本工業のフルフラット加工では、350×1,200mmまでであれば、一度の加工で仕上げることができます。
そのため、加工のつなぎ目がなく、段差を抑えた仕上がりを実現できます。
また、フルフラット加工は、板厚を均一に仕上げられることも特長です。
特に薄板では、材料全体がわずかに反る場合でも、板厚自体は一定に仕上げることができます。
そのため、後工程で求められる板厚精度を確保しやすく、組立や接着、二次加工などの品質安定につながります。
用途・材質・後工程を踏まえたオーダーメイド対応
フルフラット加工では、加工条件はすべて同じではなく、図面や要求仕様に基づき、使用用途や後工程を踏まえた加工条件を設定しています。
- 接着・密着性を重視した平面精度
- 組立工程での調整工数の削減
- 二次加工を見据えた仕上がり
その結果、研磨工数の削減や、組立不良の低減といった効果につながっています。
薄板・長尺・スーパーエンプラなどに対応できる理由
当社は、以下のような難条件にも対応可能です。
- 最大約350×1,200mmの大判サイズ
- 板厚1.0t〜100tまで対応
- 汎用プラスチックからスーパーエンプラまで幅広い材料
さらに、薄板でも精度を維持するため、加工条件を個別に最適化することで、安定した品質を維持しています。
※詳しくは、こちらの記事「高精度板厚加工技術(フルフラット加工) | 岸本工業」も参照ください。
フルフラット加工が選ばれる代表的な3つのケース
岸本工業のフルフラット加工は、一般的な加工では精度の確保が難しい案件で多く採用されています。
特に、薄板加工や長尺・大型サイズの加工、スーパーエンプラなどの難削材では、その特長を活かした加工が可能です。ここでは、代表的な3つのケースをご紹介します。
ケース①|厚さ0.15mm前後の薄物製作
薄板加工では反りや歪みが発生しやすく、一般加工では精度維持が難しいです。
フルフラット加工では、条件を最適化することで薄物でも安定した仕上がりを実現します。
半導体関連など、高精度が求められる分野で多く採用されています。

ケース②|規格サイズを超えた長尺・大型サイズの加工
一般的な加工では、長尺になるほど精度維持が難しくなりますが、当社では最大1,300mm程度まで対応可能です。
大型サイズでも平面精度を維持できるため、装置部品や大型パネル用途に適しています。

ケース③|特殊材料(スーパーエンプラ等)の加工
スーパーエンプラは加工難易度が高く、特に薄板では対応できないケースが多くあります。
当社では材料特性を踏まえた条件設定により、難削材でも安定した加工を実現しています。

なぜフルフラット加工は、後工程の品質安定につながるのか
フルフラット加工が後工程にもたらすメリット
研磨工程の短縮
段差が少ないため、研磨工程を最小限に抑えることができます。
これにより、加工時間の短縮だけでなく、品質ばらつきの低減にもつながります。
接合・密着の安定化
フラット性が高いことで接触面が均一になり、接着や密着の品質が安定します。
実際に、圧力・真空用途に使用できるレベルの密着性も実現可能です。
フルフラット加工は、段差のない高精度な仕上がりにより、加工後の工程にもさまざまなメリットをもたらします。
追加研磨やバリ取り作業の削減、接合・密着性の向上、組立精度の向上など、後工程の品質や作業効率の改善につながることも大きな特長です。
追加研磨やバリ取り作業を削減できる
フルフラット加工は、段差やバリの少ない高精度な仕上がりが特長です。
そのため、追加の研磨やバリ取り作業を削減できる場合があり、作業時間の短縮や品質のばらつき低減につながります。
接合・密着を安定させられる
高い平面精度により接触面が均一になるため、接着や密着の品質が安定します。
圧力・真空用途など、高い密着性が求められる部品にも対応可能です。
組立時の累積誤差を抑えられる
高い平面精度と板厚精度により、部品を組み合わせた際の累積誤差を抑えられることも特長です。
その結果、組立精度の向上や調整作業の削減につながり、装置全体の品質安定にも貢献します。
フルフラット加工の実際のお客様の評価
実際の現場でも、フルフラット加工による改善効果が報告されています。
- 歪みのある部品を加工し直したことで、測定結果が改善された
- 加工精度と表面性状により、装置性能の安定化に寄与した
また、設計対応の面でも、「加工側の視点で最適な形状提案がもらえる」といった声があり、単なる加工だけでなく設計支援としても評価されています。

トータルコストの視点で考えるフルフラット加工
フルフラット加工は、一般的な平面加工と比べて加工費だけを見ると高く感じられる場合があります。
しかし、加工後の研磨や組立調整、不良対応まで含めて考えると、結果的にトータルコストの削減につながるケースも少なくありません。
後工程の工数削減につながるため、トータルコストを抑えられる
加工単価のみで比較した場合、一般的な平面加工の方が安価に見えることがあります。
しかし、実際の現場では、その後の工程で発生する調整や手直しの負担が、全体コストに大きく影響します。
例えば、平面にわずかな段差やうねりがある場合、
- 研磨による追加仕上げが必要になる
- 組立時に位置調整や再加工が発生する
- 密着不良や精度不良により、再製作が発生する
といった形で、加工後に工数や手間が増加する可能性があります。
追加工や不良を減らし、トータルコストの削減につながる
フルフラット加工は、加工後に発生しやすい追加研磨や組立調整、不良といったロスを抑えることを前提とした加工です。
段差や加工スジを抑えた仕上がりにより、
- 追加研磨の削減
- 組立時の調整負担の低減
- 密着性の安定による不良リスクの抑制
といった効果が期待できます。
この結果、二次加工の手戻りが減り、品質のばらつきも抑えやすくなるため、トータルで見た際のコストやリードタイムの最適化につながります。
フルフラット加工のご相談は岸本工業まで
フルフラット加工は、決まった条件で加工する規格品とは異なり、お客様の用途や要求精度、材質、後工程に合わせて加工条件を最適化するオーダーメイド加工です。
岸本工業では、図面どおりに加工するだけでなく、用途や使用環境、後工程まで考慮しながら、一案件ごとに最適な加工方法をご提案しています。
例えば、以下のようなご相談に対応しています。
「図面段階での加工可否検討」
「試作・小ロット対応」
「材質選定や構造の提案」
規格品では対応が難しい条件や要求がある場合には、個別に対応する加工が有効となるケースがあります。
図面や仕様をご共有いただければ、対応可否や加工条件についてご案内いたしますので、お気軽にご相談ください
【お問い合わせ先】
電話 03-5703-8171
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